夏野菜の代表格である「ナス」は、インドが原産と言われている食材です。
※Kitchen Boo特製 ナスの揚げ浸し
露地栽培ものは日光をたっぷり浴びて育ち、6月頃から出回り始めます。
暑くて日差しが強いほどツヤのある紫色になるので、真夏のナスの色には生き生きとした植物のパワーを感じることができます。
ところで、日本では初夢で「一富士、二鷹、三なすび」を見ると縁起がいいと言われていますよね?
どうして夏野菜のナスが、真冬のお正月の話題に出てくるのかご存知ですか?
その理由は、日本人ならではのちょっとした「言葉遊び」にあります。
ナス=「生す」「成す」と同音異義語に変換することができますね。
「何かを成し遂げる」「何かを生み出す」という縁起のいいイメージが「ナス」という言葉から浮かび上がるので、初夢に見るといいよ!と言われているのです。
さて、そんな縁起のいい名前を持つナスですが、一方で「ほとんど栄養がない」なんて言われたりもしますよね?
その説には一理あって、ナスに含まれているのはほとんどが水分です。
※Kitchen Boo特製 ナスのタタキ
紫の皮には「ナスニン」というポリフェノール(抗酸化作用のある栄養素)が含まれていますが、取り立ててビタミンやミネラルが多いわけではありません。
ですがその代わり、ナスは体の熱を下げる働きがあります。
(漢方の世界では「清熱止血」「消腫利尿」と表現され、熱を下げる・止血する・腫れを鎮める・利尿作用が期待できると言われています)
つまり、暑くてのぼせやすい夏場を過ごすのにぴったり野菜なのです。
また、ナスはお肉と油との相性が抜群です。この特徴も、夏バテ対策に一役買ってくれます。
※Kitchen Boo特製 麻婆ナス
暑くなってくると食欲がなくなり、ついついのどごしの良いものばかりを選びがちになります。
すると不足してくるのが、お肉(とくに豚肉に多いビタミンB1)と油です。
ビタミンB1は、体を動かすエネルギーを作るために欠かせない栄養素です。
そして油は、体中の細胞の原料になり新陳代謝を促します。
ビタミンB1と油。そのどちらもが不足してくると、パワーダウンはするわ代謝も落ちるわで、さらに夏バテを引き起こしてしまいます。
暑さで受け付けないお肉や油は、ナスのみずみずしさと合わせれば、単体で口に入れるよりもサッパリと食べられます。
※油は良質なごま油やオリーブ油、アマニ油などがおすすめです。
ナスは、それ自体には栄養が少ないかもしれませんが、夏バテ対策に効果的な栄養を取るためのサポート役を果たしてくれるのです。
また、ナス独特の抗酸化成分「ナスニン」も、油と調理することで効率よく摂ることができます。
和・洋・中華・イタリアン。どんな味付けにもなじむのが魅力のナスですから、いろんな食材と合わせて美味しく夏バテ対策したいですね。
※Kitchen Boo特製 ナスのパスタ
暑い時期に旬を迎えるのにはワケがある!
夏野菜の代表格、ナスの採れたてを様々な調理でアレンジしてお出ししています。
季節を乗り切るパワーを充電しにいらしてくださいね(^^)