春を告げる食べ物として「タケノコ」は昔から親しまれている野菜です。
なんと、日本で最も古い歴史書である古事記にもタケノコは登場します。(イザナギ・イザナミの神話)
そのくらい、日本人には馴染みのある野菜なのです。
さて、話は変わりまして。
たまに耳にするのが「タケノコって、食感や香りを楽しむだけで栄養はないんじゃない?」という説です。
確かに、他の野菜と違って成長したら竹(木のようなもの)になりますから、なんとなく野菜というイメージからはかけ離れているかもしれませんね。
ですが、タケノコにもちゃんと栄養はあります。
しかもこれが、現代人にとっては結構嬉しい栄養素なのです。
さっそくお話ししますね!
タケノコは、現代人が最も不足しやすい「亜鉛」が豊富!
タケノコには、「亜鉛」というミネラルが多く含まれています。
実は亜鉛というのは、現代人が最も不足しやすいミネラルと言われており、多くの人が十分な量を摂れていません。
もともと亜鉛は吸収率の悪い栄養素です。
さらには、日常生活のさまざまな場面で吸収が妨げられたり、体の外に排出されやすい栄養素でもあります。
【例えば・・・】
- カップ麺などの加工食品に含まれているポリリン酸
- パンなど穀物に含まれているフィチン酸
- 汗
- カフェイン
- アルコール
- ストレス
- 薬
などが、亜鉛の吸収を妨げたり体外に排出したりします。
毎日忙しくて、食事は簡単に済ませられるインスタントがメイン。
コーヒーやお酒を飲むのが日課で、体調を整えるために薬も飲んでいる・・・という方は、亜鉛が足りない可能性が多いにありますね。
タケノコは、亜鉛の含有量が野菜の中でもトップクラスです。
日本古来の食べ物が、実は現代人にとってお助け役となってくれるのです。
ストレスと戦い、エネルギーを生み出す「パントテン酸」も!
ビタミンB群の一種である「パントテン酸」も、タケノコには豊富に含まれています。
パントテン酸の別名は「抗ストレスビタミン」
人がストレスを感じたときに、自律神経などを調整するホルモンを出すために必要な栄養素です。
ストレスにさらされやすくなった現代人には、ありがたいビタミンですね!
さらに、タケノコに豊富に含まれているパントテン酸は、糖分と脂質の代謝も促してくれます。
毎日活動するためのエネルギーを生み出すのに一役買ってくれるので、現代人には必須の栄養素なのです。
茹でタケノコに付いている白い塊のようなものは「チロシン」
茹でたタケノコを切ると、節と節の間に白い塊がたまっていることがあります。
「アク・・・?」と思って取り除いてしまいそうですが、実はその正体は「チロシン」というアミノ酸です。
チロシンは、やる気や集中力のアップにつながる働きをします。
脳や神経の働きを活発にする作用があるのです。
タケノコの出回る時期と言えば、新生活。やる気や集中力が必要な時期ですね!
まるで現代人のために用意してくれたかのような、タケノコのチロシンです。
デトックスには欠かせない「食物繊維」
お腹の調子を整える栄養素の代表、食物繊維。
タケノコには、お腹の中の水分を吸ってふくらむ「不溶性食物繊維」が豊富に含まれています。
その量は、カボチャに匹敵するくらいです。
不溶性食物繊維は、腸の中の有害物質を外に排出してくれます。
デトックス効果が期待できるので、体をスッキリさせたい方にとっては欠かせませんね。
タケノコには他にも、カリウムやビタミンEなどが含まれています。
香りも食感も、そして栄養もいただける「春の恵み」の食材なんですよ。
ちなみに、タケノコの下処理は時間勝負!
昔から「タケノコを掘り始めたら湯を沸かしておけ」と言われるほど、堀ってすぐの下処理が味や香りの良さを決めます。
なので当店で使うタケノコも、農家さんにお願いして素早く下処理してもらっています。
そんな春の味と香りが詰まったタケノコ。ぜひ、今しか食べられない旬を楽しみに来てくださいね。