秋になると、甘みが増して美味しくなるのが「カボチャ」です。
収穫時期は7~8月ですが、そこから2ヶ月ほど貯蔵すると、余分な水分が抜けて味が濃くなります。
さて、秋とカボチャと言えば、今ではすっかりお馴染みのイベントとなったハロウィンですね。
ハロウィンを象徴するキャラクターの「ジャック・オー・ランタン」には、カボチャが使われています。
このハロウィンのキャラクター。どうしてカボチャのお化けなのか、由来をご存知ですか?
今回のブログでは、そんな「ジャック・オー・ランタン」が生まれた経緯をお話しします!
もともとは「カブのお化け」だった!?
今やハロウィンと言えばカボチャのイメージが根付きましたが、実はこのジャック・オー・ランタン。もともとは「カブのお化け」でした。
ハロウィンの発祥は、アイルランドやスコットランドに住んでいたケルト民の「秋祭り」です。
日本で言うとお盆やお彼岸みたいな行事で、10月31日から11月1日の間は、この世とあの世がつながりますよ、というような意味合いだったそうです。
そんな秋祭りにちなんで、ケルト民の間で語り継がれた物語に「ペテン師ジャック」というものがあります。
この物語が、ハロウィンのカボチャお化け「ジャック・オー・ランタン」の発祥と言われています。
【ペテン師ジャックの物語】
・・・あるところに、嘘つきのジャックという男がいました。
ハロウィンの夜。ジャックは、あの世からやってきた悪魔に魂を取られそうになりますが、「最後にお酒を飲みたいからお金に変身して欲しい」と騙して悪魔を硬貨に変え、十字架入りの財布にとじ込めてしまいます。
とじ込められた悪魔は、10年間は魂を取らないという条件と引き換えに、解放してもらえたのでした。
10年後のハロウィン。再び悪魔はジャックの魂を取りに来ます。
ジャックは今度は「最後にリンゴをひとかじりしたいから、木になっているのを取って欲しい」と嘘を付き、悪魔が木に登った隙を見て幹に十字架を刻みます。
十字架が怖くて降りられない悪魔は、これからは絶対に魂を取らないというジャックの条件を飲み、木から解放してもらえたのでした。
何十年後かして、ジャックは寿命で亡くなります。
嘘付きだったため、天国に行けなかったジャック。仕方なく地獄に行くと、あの悪魔に出会います。
悪魔は「約束だからお前の魂は取れない。地獄にも入れることは出来ない。だから、元の場所へ戻れ」と言いました。
行き場を失ったジャックは、今来た道をトボトボとさまよい始めます。
「暗いから明かりをくれないか」
ジャックがそう頼むと、悪魔は火の塊をひとつだけくれました。
ジャックは道ばたに転がっていたカブをくりぬき、その中に悪魔からもらった火を入れて提灯にし、あの世とこの世の間をさまよい続けるのでした・・・。
アメリカに伝わったらカボチャになっちゃった!
少々ホラーな「ジャック・オー・ランタン」の物語。
アメリカにこの話が伝わると「カブよりもカボチャの方が手に入りやすいから、カボチャでお化けを作っちゃえ!」と、いつの間にか提灯の材料が変わり、カボチャの方がすっかり有名になりました。
お話の重要アイテムが丸々変わって今に伝わるなんて、なんだか面白いですね!
ただし、ハロウィンのお化けで使われるカボチャは園芸用の品種で、食用には向きません。
イベントを彩る役割は園芸用カボチャにお任せして、ほくほくの甘さは今が旬のカボチャで楽しみましょう(^^)